フォニックスで子供のときから英会話を学ぶ効果とは?(事例入り)
2024年12月12日 | コラム
「英語が話せたらいいなと思ったので子供には是非英語を話せるようになってほしい」、「子供のうちから英語を学ばせたいと思っているけど、どこに通わせればいいんだろう」、「フォニックスって最近良く聞くけど、どんな方法なんだろう」、「小さい頃から英語を学ばせたいけど、嫌いにならないでほしいな」など
お子様の英語教育についてお悩みの方が多いと思います。
公立小学校の英語教育は、2020年度より文部科学省の指導のもと、小学校3年生から英語が導入され、5・6年生では「外国語活動」から「外国語科」に変わり、週2回の授業が行われている学校もあります。
将来お子様が英語に苦手意識を持たない、またグローバル社会で活躍するためには、早い段階から英語に触れる事が大切です。
そんな中で注目されているのが「フォニックス」です。大手の英会話教室も採用している学習法です。
この記事では、フォニックスの詳しい説明だけではなく、お子様がフォニックスで学ぶことで将来どのような事があるのか、実際の事例と合わせてお伝えします。
フォニックスとは
フォニックスとは、英語のつづりと発音の関係を規則化して教える教授法です。英語圏の国々ではもちろん、近年では英語圏以外の国でも急速に広まっていて、120ヵ国以上で使われています。フォニックスの成果は認められていて、子供たちの英語の読み書きをサポートしています。英語学習の基礎となる重要なスキルです。
英語の綴りは、その約80%近くが文字と音のルールに沿っています。フォニックスでは、これらのルールを学ぶことで、知らない単語でもある程度正しく発音できるようになります。
フォニックスのルール
ここでは基礎的な以下3つのルールについて説明していきたいと思います。
短母音長母音
短母音とは?:音を伸ばしたり重ねたりせず短く「a・i・u・e・o」=「あ・い・う・え・お」と読む母音のこと。フォニックスの発音表で紹介した発音はこの短母音。
長母音とは?:母音の持続時間が長いもの。「a・i・u・e・o」=「えい・あい・ゆー・いー・おう」と読む母音のこと。一般的なアルファベット読み。
フォニックスの発音表だけが、英語の発音の全てではありません。長母音についても知っておくことで、次の項目で説明するサイレントEが理解できます。
サイレントE
サイレントEとは?:単語の末尾がEであるとき、その1つ前の母音を長母音で読み、末尾のEは発音しないルールのこと。マジックEとも呼ばれます。
例)
“cake”=「“a”は“エイ”と発音し“e”は発音しない」=「ケイク」
“time”=「 “i”は“アイ”と発音し“e”は発音しない」=「タイム」
“cake”=「カケ」、“time”=「ティメ」ではありません
二文字子音
二文字子音とは?:子音が2つ連続した際に発音が変化するルールのこと。
例)
s(ス)、h(ハ)を合わせてsh=「スハ」と発音するのではなくsh=「シュ」となる。
他にも以下のような発音があります。
【ch】【ph】【wh】【th】【ck】【ng】
(便宜上カタカナで書いていますが実際の音は異なります)
今回は3つの基礎的なルールを紹介しましたが、他にもフォニックスに関するルールはたくさんあります。フォニックスの発音と、いくつかのルールさえ頭に入れてしまえば、あとはそれらを足し算するだけで簡単に正しい発音ができるようになります。
フォニックスを学ぶメリット
ここではフォニックスを学ぶメリットを1つ紹介いたします。
メリット1.正しい発音が身につく
フォニックスを学ぶメリットの1つ目は、正しい発音が身につく点です。
フォニックスではそれぞれのアルファベットの名前だけではなく、発音する際の音そのものも学習します。フォニックスを習得できれば、日本人に多いカタカナ発音ではなく、英語を習わせている親御様がお子様の発音を聞いてびっくりするような、ネイティブさながらな発音が身につきます。
カタカナ発音でも全く通じないわけではありませんが、将来英語を使ってグローバルに仕事をしたい、国境を越えてたくさん友人をつくりたい等、英語を使ってスムーズにコミュニケーションを図りたいのであれば、正しい発音を身に着けることは、とても重要なことになります。
正しい発音を習得することで、英語で自分の気持ちが伝えられるようになり、英語でのコミュニケーションの喜びを知ることができます。
メリット2.初めて見る、聞く、単語でも正しく読み書きが出来る
フォニックスを学ぶメリットの2つ目は、初めて見る、聞く単語でも正しく読める点です。
「dog」という単語を見て、「ディー」「オー」「ジー」とは読みません。「dはディー」「oはオー」「gはジー」というのは、それぞれのアルファベットの名前であって、実際の単語の読み方とは異なります。アルファベットの読みをそのまま発音しても正しく読めません。
フォニックスにはいくつかのルールがあります。フォニックスが身についていれば、初めて見る単語であってもルールに則って正しく読めるようになるのです。
中には例外もありますが、約80%ほどの英単語はフォニックスで読めると言われています。他の人に聞いたり調べたりしなくても、「この単語はこの読み方かな」と自分で予想する力がつけられます。
英単語を見て正しく発音できるということは、逆に、発音を聞いて正しくスペルを書くこともできるということです。フォニックス学習では、発音と同時に、英語を聞くための耳も鍛えられます。聞いた音から正しいスペルを導き出せるようになります。
街中にはたくさんの英単語が溢れています、お子様がふと単語を読んだ時、正しく読めたらびっくりしませんか?一緒に英語のyoutube動画を見ていて知らない単語でも発音を聞いて、「ママこれ合ってる?」「こうやって書くの?」と単語を書きだしたら嬉しくなりますよね。
メリット3.日本語にない音を聞き取れる
フォニックスを学ぶ3つ目のメリットは、日本語にない音を聞き取れる、使えるようになるということです。
子供のとき、特に幼少期にフォニックスを学ぶことで、日本語にはない音(例: “L” や “R” の違い)を聞き分けられるようになります。
特に代表的なのは、‘L‘‘R`の違いです。この記事を読んでいる方の中にも、「あ~LとRね。結局聞いても良く分からなかった。」「LとRはリスニングですごく苦労した。」という方が多いのではないでしょうか?
私も留学当時は[locker]が相手に通じず、学校のロッカーを開けるのに苦労しました。
本当に全く通じないんです、想像してる以上に通じません。
シニアクラスでは、LとRの発音に皆様本当に苦労されます。
子供たちと同じ時間フォニックスを学んでも同じようには習得できないと口を揃えておっしゃいますし、実際私も子供と大人と教えていても同じように感じています。
昔は中学生で初めて英語を習う人が多かったと思うので、日本語にない音はやはりその年齢からだと聞き分けられるようになるのは正直難しいです。お子様が中学生、高校生と大きくなってから自分とおなじように苦労するのではなく、幼少期の間に英語の発音を学び自然と聞き分けられたら素晴らしいですよね。
フォニックスを学ぶデメリット
世の中、メリットしかないものなどほとんどなく、例に漏れる事なく、フォニックスを幼児期から学ぶことにもデメリットがあります。包み隠さずここでは2つ紹介します。
デメリット1.学習感が強い
子供の時、特に幼少期は楽しく英語を学び、英語を好きになることが大切だと思っています。
フォニックスは英語を身につけるうえで、本当に素晴らしいメリットがいくつもありますが、学習感が強いというデメリットがあります。学習感が強くなると、子供が「英語が楽しい!好き!」になるのを妨げる可能性があります。
そのため、子供の適性に合わせてフォニックスを取り入れることが大切です。
まずは正しい発音を身につけるという意味で幼少期にフォニックスを学ぶ。読み書きを学ぶためのフォニックスは時期を見極めて導入する。そうする事で、学習感が強くならないようにして、楽しく学べることがとても重要です。また大人数で学ぶより少人数で学ぶ事もとても大切です。
デメリット2.フォニックスのルールが通用しない単語がある
先ほどフォニックスを学べば約80%読み書きが出来ると伝えました。つまり残り20%はフォニックスのルールでは読み書きできない単語があります。
フォニックスではルール通りに読み書きできない単語の事を sight word ‘サイトワード‘と言います。
この単語はフォニックスのルールが通用せず丸暗記するしかないのです。
ただ、フォニックスのようにサイトワードだけに特化した学習法がある訳ではなく、フォニックスを学ぶ過程でサイトワードに触れる機会が沢山ありますので、フォニックスと一緒に学んでいけますので心配ありません。
子供のときからフォニックスを学ぶ効果
フォニックスを学ぶメリットとは視点を変えて、もっと長い目でみたときにフォニックスを学ぶ効果をお伝えします。というのも、なぜお子様が小さい時から英語を学ばせたいかというと親御様としては大人になった時に英語で困らないように、活躍できるようになど、お子様の将来の事を考えてと言う方が多いと思うからです。
幼少期からフォニックスを学ぶのと学ばないのとでは、中学、高校、大学、そして社会人と大きくなっていく中で、大きな違いが出てきます。
1)ネイティブに近い発音とリスニング力を身につけられる
フォニックスで正しい発音を学ぶことで、細やかな音の違いが分かり、正確な英語の音に親しむことが出来ます。そのため、ネイティブスピーカーに近い発音を習得でき、リスニング力の向上に役立ちます。大人になってからフォニックスを学び始めると、発音が不正確になり、ネイティブスピーカーの速い話方だと聞き取れない可能性が高くなります。
2)音と文字の結びつきを早く理解できる
フォニックスには英語の文字(アルファベット)とその音(発音)の関係を学ぶ手法です。幼少期にこれを学ぶことで、単語を見たときに音を推測しやすくなり、音と文字の結びつきを強化できます。これにより、リーディングやスペリングスキルが早い段階で向上します。
3)英語学習の基礎力がしっかり身につく
フォニックスを学ぶ事で、読解力が向上し、その後の英語学習全般にわたって基礎力がしっかりします。難しい単語に出会った時でも、音のルールを使って推測する力が自然につきます。
4)自信を持って英語を使える
フォニックスを学ぶと、子供が自分で音を出して単語を読む事が出来るようになるため、自信を持って英語に取り組む姿勢が身につきます。これは英語意欲や英語対するポジティブな感情を育む点でも重要です。
子供がフォニックスを学ぶ勉強法
ここまでの説明でフォニックスに興味を持った場合、お子様が具体的にどのようにフォニックスで勉強をすることが出来るのか紹介します。
動画やアプリ学ぶ
無料で手軽にフォニックスを学ぶ方法は、動画やアプリです。
ネットで”phonics”や”フォニックス”と検索すると、多くの動画がたくさん見つかります。子供たちの興味や関心を簡単に引き付けられる写真や絵がたくさん使われており、親子で一緒に楽しくフォニックスが始められる素晴らしいツールの1つだと思います。
アプリも同様にフォニックスを始めるにはとても良いツールだと思います。ゲーム感覚で楽しく学ぶことが出来るアプリがたくさんあります。
ただ動画やアプリを使ってフォニックスを学ぶ場合、1つ注意があります。何かを学ぶときには、インプットとアウトプットの両方が必要になりますが、動画やアプリはどうしてもインプットだけになってしまいます。
せっかく覚えたルールも実際に声に出して読む、発音して相手に伝えてみるなど、アウトプットが大切です。
動画やアプリで学ぶ場合は、お子様が1人で行うのではなく、親御様が一緒になって意識的にアウトプットするようにしましょう。ただし、親御様が正しい発音を知らないと、せっかくフォニックスで英語を学んでも中途半端になってしまったり誤った音をインプットしてしまう場合があります、注意してください。
英語教室で学ぶ
基礎をしっかりと習得するためには英語教室で教わるのが最適です。
動画やアプリのように一方通行ではなく、分からないことがあってもプロがしっかりフォローして進めていくことが出来、インプットした内容が定着するように、アウトプットにもバランスよく取り組むことが出来ます。
またプロが楽しく学べるように動画やダンス、ゲームなどを取り入れ工夫することで、デメリットにも書いた学習感を感じる事なく、学ぶことが出来ます。
子供がフォニックスを学ぶ効果の事例
実際にフォニックスを学ぶことでどのような効果があるのか知りたいですよね?ここから未就学児からフォニックスを取り入れたことによる実際の効果の事例を話をしたいと思います。
英語の絵本を自主的に読み始める
『うちの子が「Brown bear,brown bear,What do you see? 」の絵本を自分で読み始めたのです!最初は子供と一緒に読んでいましたが、あっという間に一人でリズムよく読めるようになりました。本当にびっくりしました。英語をただ学んで終わりではなく、ちゃんと絵本を一人で読めるようになるという結果に子供の成長を感じました。とても嬉しかったです。「簡単によめるよ!」という自信満々の笑顔は今でも覚えています。』
このような感じで、未就学児のお子様でもフォニックスを学ぶことで、英語の絵本を自分一人で読めるようになります。1つ絵本を読めるようになると次々に絵本を読むことにチャレンジし始めます。
フォニックスで学ぶ26のアルファベットの音が分かると、3文字単語と言われる、’dog’や’cat’などはあっという間に読めるようになります。すると子供は「自分は英語が読めるんだ!」という自信がつきます。もちろん読んだ時のネイティブのような発音を聞いて親御様も「すごいね!」とほめる事でしょう。子供は嬉しくなりもっともっと学ぼうとします。
身の回りにある英語を読み始める
『何気なくお菓子の時間にビスケットを出した時の事、「子供がこれってcだよね?これはa?これは知ってるよxでしょ!」とアルファベットを読むようになりました。その数週間後にはビスケットに書かれている動物の名前を発音良く読む姿にはとても驚きました。「これはdogだから犬だね、これはfoxって書いているけど、日本語では何の動物なの?」と自ら学ぼうという姿勢も見られ驚きました』
大人はなかなか意識していませんが、英語を習い始めた子供たちは身の回りに英語がたくさんあることに気づきはじめます。例えばお菓子のパッケージ、自分が着ているお洋服にだってたくさんの英語が書かれています。
それを読み始めるのです。最初はこれはAだね!というアルファベットからかもしれませんが、興味があるので読めない単語は「これ何てかいてあるの?」としつこいくらいに質問されると思います。
そこで一緒に読んでみるのはどうでしょう。そして「よく気が付いたね!」「よく読めたね!」とたくさんほめてあげてください。子供たちは普段大人が意識を向けていない小さなところからも英語を探してきては一生懸命読むようになります。決してテキストをあけてCDを聞くこと、難しい英語の絵本を一緒に読むことだけが勉強ではありません。身の回りの物を使ってどんどん英語が読めるようになってくるのです。
さいごに
いかがだったでしょうか?
フォニックスを学ぶことで、英語学習全般の基礎力がしっかり身につきます。
子供の頃、特に幼少期から学ぶことで、ネイティブに近い発音や高いリスニング能力を身につける事ができます。多くの日本人が苦労しているLやRの発音をしっかり発音出来たり、聞き分けたりすることができるだけでも、ちょっと羨ましいと思う方もいらっしゃると思います。小さい頃から英語の絵本を一人で読み始めたり、お菓子やパッケージに書かれた英単語を言ったりしているお子様の姿を想像するだけで感動しませんか?
もちろん、大人になって使える英語力を身につけるや中学高校の定期テストで良い点数を取る事も大切なのですが、何よりも大切な事が「英語が好き」「英語って楽しい」と思える事だと思います。
子供のうちは楽しく英語を学ぶ手段が沢山あります。楽しくなければどんな素晴らしい学習法、先生に出会っても意味がありません。
「ご自宅で動画やアプリを使って学ぶ」「英語教室に通って学ぶ」どちらにせよ、是非お子様が楽しく学べる環境を見つけてください。楽しいと好きになります。好きになれば子供は親が言わなくてもどんどんチャレンジします。チャレンジしたことが出来ると達成感を味わい自信がつきます。そうするともっと英語が楽しく好きになり、上達していきます。
このループを作ることが出来ればもう大成功!英語が得意になりますよ。
この記事を参考に、是非お子様の学習の第一歩を踏み出してみましょう!